[レビュー]PENTAX K-3は高画質で色のきれいな一眼レフ

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リコーイメージングさんのイベントにご招待いただき、2013年11月1日発売の一眼レフPENTAX K-3をいじくってまいりました。

リコーとペンタックスの関係がいまいちわかりづらいという方もいらっしゃるかと思いますが、現在はペンタックスという会社はありません。

リコーの子会社の「リコーイメージング株式会社」となり、そこが発売している「ペンタックス」というカメラブランドになっております。

まあ、そこんところあまりこだわらずにペンタックスでいいよ!というお言葉をいただいたので、ペンタックスのみの表記でいきます。
PENTAX K-3

ペンタックスの一眼レフって?

いまやキヤノンもニコンも一眼レフの新規開発はほぼしていない状況です。しかし、ペンタックスだけは一眼レフにこだわって開発を続けておられます。

私のペンタックスのイメージは「しっかりしたものを作っているけど、マニアックな会社」です。

超ちっこい一眼Q10やら、カラーバリエーションありまくりのカメラやら、エヴァンゲリオンモデルやら、他社がやらないような独創的な一眼を世に送り出されています。

今回のK-3はまじめに作られたいい一眼レフですよ!

ペンタックスはAFが遅い?

ペンタックスの一眼レフの特徴…というより欠点としてよく挙げられるのが「オートフォーカスが遅い」という点です。

確かに私も、半押ししてからいつまでも大きな音でジーコジーコといってシャッターチャンスを逃す…と言うイメージがありました。

しかし、AFが遅いのではないんです、AFを決定するのが遅いだけなんです!

メーカーさん曰く、ペンタックスのAFは非常に真面目なんだとか。

他社では「このへんでいいやっ」とシャッターを切ってしまうせっかち君な機種もあるのに対し、ペンタックスのカメラは

「しっかりピントが合ったところを探して探して探して…ここだっ!」

とならないとシャッターが切れない、石橋たたいて渡る君な仕様だったとか。

うーむ、それでは完璧主義すぎてかえって仕事が遅い人のようですよ。

それが、今回のK-3は「2回AFに迷ったらそこで決める」という、ほどよいところで仕上げる仕事の速い人になったようです。

しかし、適当に決めているわけではなく、ピント合わせの精度は問題ないレベルです。

また、「電灯がない暗い夜道で、満月くらいの明るさでもAFが合う」というのを基準に設計されているので、暗がりでもしっかりピントが合います。

実際、AFはかなり速いです。ほとんど迷いもしません。しかもAF音も静かになっています。

いいじゃないですか。

小さいのに意外と重い

ペンタックス一眼レフのボディサイズは社内で厳密に決められていて、これ以上大きなサイズにしてはならないのです。

デザイン担当の方は、このサイズにすべて収めるために相当苦労されています。

SDカード2枚挿しも、他社は縦並びが多いのに、サイズの関係上横並びにされたとか。
K-3のSDカードスロット

ペンタックスユーザーのカメラ女子さんがちょうど講座にいらしたので、K-3を試していただきました。

やはりAFなどは好感触だったのですが、「見た目の印象より重い」という感想も出ました。

そういえば、このカメラ小さいのに重いよね…と思って量ってみたところ、K-3ボディ+18-135WR レンズは、約1.4kgもありました!

私のD5100と巨大な18-270mmのレンズ(左)が1.2kgなのに、それよりも重いじゃないですか。
D5100とK-3の比較

堅牢なマグネシウム合金ボディなので仕方ないかとは思いますが、リコーイメージングさん、次なる課題はぜひ軽量化もお願いいたします。

箱根でK-3写真撮影

K-3を秋の箱根に連れていきました。2日間で400枚以上撮影しても、バッテリーは2/3残っていました。

箱根ガラスの森で撮ったお気に入りの一枚。ピントはカリッと、玉ボケはまるっと美しく。
ガラスの森

箱根の猫もモッフリと撮れました。
キジ猫

ピクセル等倍で切り出した画像です。猫ひげの1本1本まできれいに撮れています。
猫ひげ

いつも私が使っているレンズは18-270mmの高倍率ズームなので、キットレンズの18-135mmは「もうちょっと寄りたい!」と思うこともありましたが、箱根では思ったほど不便は感じませんでした。

むしろAFは速いし、ズーミングもグリグリ回って軽やかで、ストレスを感じさせません。「AFが遅いペンタックス」の汚名返上です。

レンズの網の目状のすべり止めグリップが回しやすくてグッド!
18-135WR レンズのグリップ

K-3はホワイトバランスがバッチリ

最近のデジカメはホワイトバランス(色の調整)がかなり賢くなっていて、いい感じの色が出るカメラが増えています。

が、ペンタックスのカメラのWBはその一歩先を行っていました。

ただのWBオートではなく、マルチパターンオートWBというものが搭載されているのです。

これは、こっちには白熱灯が当たっていて、あっちには太陽光がさしている、という場所を撮影しても、光源に応じたホワイトバランスを設定して、それぞれいい感じの色にしてくれるのです。

実際にその状況だったのがこちら。
生ハム

お料理の手前からは白熱灯、向こうからは窓の光も入っています。色かぶりもほとんどなくいい感じの色!

今回かなりの枚数の写真を撮りましたが、マルチパターンオートWBで撮って「色が変だなー」と思う写真は1枚もありませんでした。

写真は色重視な私にはかなり良かったです。

K-3のクロスプロセスは毎回変わる

こちらは遊びの色機能です。

色の設定である「カスタムイメージ」(十字キーの右)の、「クロスプロセス」が結構気に入りました。

これは標準では撮るたびに色味が変わるので、意外な色で撮れる楽しみがあります。

クロスプロセスは工場写真がハマります。(工場萌え)

工場 工場 工場

ファインダーのノイズ感が気になる

欠点、デメリットというほどではないですが気になったことです。

ファインダーは大きくて見やすく、ピントもはっきりしているのですが、のぞいた瞬間に気になったのが、なんだか画像がザラザラしている…という点でした。

ファインダーの中の映像なので写真でお伝えできないのですが、高感度でノイズが乗っているような粒子状のざらつき感です。

これは何ぞや?と思い、ググって行きついたのがこちら。

価格.com – 『ファインダーの画像について』 ペンタックス PENTAX K20D ボディ のクチコミ掲示板

フォーカシングスクリーン裏面の、渦巻き状のフレネルレンズの模様だとか。

ペンタックスは特に渦を巻いているらしく、独特の見え方をします。まあ、慣れれば気にならないのでしょう。

いつの間にかボタンが押されている

ストラップでぶら下げて歩いていた際に、「いつの間にか多重露光になってる!」「いつの間にかホワイトバランスが曇りに!」ということが数回ありました。

私の腹の肉圧でボタンを押しているのかと思いましたが、どうやら十字キー縁の押しやすいでっぱりのおかげで、ちょっと圧がかかると押し込まれてしまっているようです。

K-3の十字キー

このでっぱりは、斜め方向の入力や移動がしやすいようにとK-3から採用されたのですが、押しやすさ=押されやすさ、になってしまっているのがもどかしいところです。

ところで、K-3で一番魅力を感じた防塵・防滴性能については、今回は試せませんでした。

さすがに借り物のカメラに水をジャバジャバぶっかけるのはためらわれましたので…。

日常ブログの箱根記事にもK-3で撮った写真を掲載しています。