自然光で商品写真を撮影するべき…ではない理由とライティング方法

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私、当方カメラ教室以外でも商工会議所などでネットショップや店舗さんに商品写真撮影のカメラ講座の講師もしています。

そこで皆様の撮り方のお悩みを伺うと、つまづいている方が多いのがライティングです。

自然光が物撮りに不向きな理由

初心者向け撮り方のテクニックサイトや商品の撮り方の本を見ると「お料理や商品は自然光で撮りましょう」と書いてあることがなぜか多いです。

それを信じて、商品発送業務などで忙しい日中でも「日が出ているうちに商品写真を撮らねば!」と焦って撮影されているショップさんにも多数お会いしました。

また「うちの事務所は日当たりが悪い(もしくは窓がなくて日が当たらない)のですが、どうしたらいいでしょうか?」とお困りのご質問もありました。

しかし、自然光だけでの撮影はブツ撮りに最適とは言えない理由が2つあります。

欠点1 日照時間も明るさも変わる

日の出から日の入りまでの時間は季節によって大きく変わります。東京の一例です。

 日の出日の入
夏至4:2619:00
冬至6:4716:32

夏は約14時間半も日が出ているのに対し、冬は9時間45分しか日照がありません

また、1日のうちでも太陽の方角が変わります。窓辺など撮影場所が一定でも、光の強さ、影の付き方が変わってしまって統一感のない写真になりやすいです。

欠点2 天気や時間によって色が変わる

もっと困るのが地上に降り注ぐ太陽光の色も変化していること。

人間の目は良くできているのでなかなか気が付きづらいですが、夕焼けの色がわかりやすいと思います。

光の色は色温度で表します。単位はケルビン(K)です。

数字が小さい方が赤っぽい光数字が大きい方が青っぽい光になります。

自然光の色温度の例(数字は約)

日陰8000K
曇り6500K
晴れ(正午)5300K
朝日・夕日2000K

自然光の色はこんなに変わっているのです。「今日は曇ってるから光が青いなあ」とはなかなか感じませんよね。

カメラにはAWB(オートホワイトバランス)という色を自動で割といい感じに調整してくれる機能はありますが、それでも限界があります。

商工会議所の受講者様で「うちのレストランの料理写真を撮ったけど、なんかまずそう」とお悩みの方の写真は、日陰でかなり青く写ってしまっていました。

また「ネットショップの商品写真を撮るたびに背景の色が変わってしまって困る」という方も、時間がまちまちの自然光撮影でした。

この欠点を両方理解した上でそれでも自然光で撮りたいのでしたら、良いと思います。

しかし、日照も明るさも色温度も、ライトを買えば無駄に苦しむことなく一発解決ですよ!楽して良い写真を撮りましょう。

おすすめの撮影機材については以前こちらの記事に書いていますので併せてどうぞ。

撮影用ライト 写真撮影用LEDライトは高演色性が本当にきれいでおすすめ!

自然光とライティングした写真の違いと解説

うちの教室内で撮り比べた写真です。通常、ビンは撮影ボックスを使いますがあえて無しで撮って比較しています。

自然光。
左から窓の光が当たるのですが、室内も明くなるためビン表面にかなりの写り込みが出てしまい、「ただ置いて撮った」感満載の生活感がある写真です。

自然光ライティング

右から大きいライト1灯。
室内灯は消しています。だいぶいい感じになってきました。

右から1灯ライティング

右から大きいライト1灯+左に小さいライト1灯。
商品写真っぽくなりました。
今回はあえて無加工ですが、ビン左肩のように点状のライトが写り込んでしまったらPhotoshop等で消すとより良いです。

両側2灯ライティング

撮影場所とライティング方法はこんな感じです。

ライティング方法解説

左のライトは後ろの壁向きに照射し、ビンの背後から光を拡散(バウンス)させて当てています。

なぜ自然光での商品撮影が最適だと思われているのか

私も正直謎なのですが、いくつか推測した理由です。

  • 初心者は撮影用ライトや機材を買うハードルが高い(下記のリングライトなら1万円台で足ります)
  • 撮影用ではない蛍光灯やLEDライト等を使ってしまうと写真の発色が悪くなる
  • ライトを直撃させてしまうとバキッと影が付きすぎて失敗する
  • 自然光は光が拡散して当たりやすいのでまんべんなく明るくできる
  • 「自然が一番、人工はダメ」というナチュラル派イメージ(?)

まずはおすすめの撮影機材と当て方で撮影してみてください。

この本は中上級者向けですがご参考に紹介します。普段何気なく見ている広告写真などが、どれだけの照明技術を駆使して撮られているかが良くわかります。

プロワザという通り、一般家庭では再現が難しいライティング方法がたくさん載っています。

自然光で撮影している商品例はごくわずかで、それもレフ板を併用するなどしており、ただ自然光が当たっているだけの状態の写真はありません。

自撮り撮影とビデオ通話用にはリングライトもおススメ

YouTuberなど、自撮り動画撮影をする方が良く使っているのがリングライトです。今は、リモートワークでのビデオ会議の顔出し用にもお勧めです。

最近Amazonで照明関連商品を良く見る中国企業、NEEWER(読み方はニューワー)。

顔の上下左右からまんべんなく光が当たります。

余計な影が消えるのはもちろん、顔の中央に強烈に光が当たることがないため、おでこテッカーン☆みたいな局所的ライティングにならないのがいいですね。

こちらの方の動画がリングライトの顔照射効果がわかりやすいです。

影を付けたくない商品の撮影にも使えそうです。

Amazonで安いのもたくさん出ています。小さめ10インチのリングライトも1つ買ってみました。

こちらはUSB接続なので、モバイルバッテリーとつないだら外でもどこでもライティングできるじゃないですか!思いのほか便利で良いです。

リングライトとモバイルバッテリー

モバイルバッテリーはアンカー製がおススメ。

商品ライティング等に関するご質問は、オンラインレッスンのビデオ通話で撮影環境を拝見しながらもお教えできます。