最近「都内の○○はこんなに人が密集しています、三密、大混雑!」みたいな密写真がニュースに使われているのを見ました。
が、あの写真、本当に人が押し寄せていたのでしょうか?
捏造とまでは言いませんが、レンズを使った写真のテクニックで実際よりも密度を高く見せて写していた可能性があります。
目次
望遠レンズの圧縮効果
まずはこの写真をご覧ください。うちのチビっこいやつらが密です!ソーシャルディスタンスー!
…っていう感じに撮ってみましたが、実は、真上から見ると各人こんなに離れて点在しているのです。
最初の写真では、先頭の赤スライムから末尾の招き猫まで、こんなに離れているようには見えないでしょ?
なぜか。
これが、望遠レンズで撮った写真の圧縮効果というワザなのです。
望遠写真は詰まって見える
上記の写真は、私のオリンパスカメラに望遠レンズを付けて、焦点距離150mm(フルサイズ換算300mm)で撮影しています。
Wズームキットで付いてきた望遠レンズを持て余している方が結構いらっしゃいますが、大体どのメーカーもセットの望遠レンズは最大150mmくらいで撮れるので、同じように撮って試してみてください。
圧縮望遠写真の撮り方
- なるべく明るい場所に被写体を置くか、ライトを当てる
- 先頭の被写体から1~2m前に離れる
- カメラは被写体と同じ高さ(今回は床)に置く
- 絞り優先モード(A、Av)で、F16前後に絞る
- 先頭か、その後ろの被写体辺りにピントを合わせて撮影
- 密な写真の密造成功
比較用の標準と広角写真
同じちっこいやつらを、レンズの焦点距離を変えて、赤スライムのサイズはほぼ同じにして撮り比べてみました。
標準写真 24mm(フルサイズ48mm相当)
50mm前後が人間の目玉の世界に一番近い写りになるので、実物はこんな感じの距離感です。普通にソーシャルディスタンスな感じです。
広角写真 14mm(フルサイズ28mm相当)
遠近感と歪みがかなりつき、スカスカに見えます。先頭の赤スライムより、末尾の招き猫の方が小さく見えます。
はいここでもう一回、冒頭の密な望遠写真。ギュー。
レンズの焦点距離でどう写るかという違いがわかっていると、レンズテクニックを使った写真にだまされなくなります。
写真は真実を写していないことが良くわかりましたよね。
密の密造望遠写真の見分け方は画角
写真を見慣れてくると、これは望遠だ、広角だと分かるようになります。
ひとつ見分けるポイントが、背景がどこまで写っているかです。写る範囲のことを画角(がかく)といいます。
望遠写真は画角が狭い
上の望遠写真の背景に写っているのはこの狭い範囲まで。
それが、広角写真はこんなに広範囲の背景が写っています。
写真を見比べてみると、画角の違いを良くお分かりいただけると思います。
あのニュースで見たアーケードを写した密写真は、背景が通路の狭い範囲くらいしか写っていなかったなぁ~。ということは…。
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